このシリーズでは、Hirameki 7のメール配信で作成可能なメールマガジン等で使えるコンテンツ例について説明します。初回のこの記事では、メルマガ配信全体についてのお役立ち情報についてご案内します。
1.メールマガジンの現在地
メールマガジンはかつて、低価格に実施できるマーケティング手法として広く導入されてきました。しかし、その結果、多くのメールマガジンが氾濫し、その多くは迷惑メールとして人知れず削除されてしまい、読まれることが少なくなって来たと言われています。さらに、スマートフォンの登場と、メッセージアプリの普及によって、Eメール自体がコミュニケーションツールとして使われることが少なくなってきています。
そのような中で、メールマガジンはもう古いマーケティング手法になってしまったのでしょうか?この問いに対しては、残念ではありますが「はい」と回答すべきでしょう。誕生から半世紀近く経つEメールというツールを使ったマーケティングは確かに古いマーケティング手法になってしまいました。しかし、古いことは、「意味がない」ことでも、「効果がない」というものではありません。メールというツールの特性を理解し、ユーザーの要求に対して適切なコンテンツを提供すれば新しいマーケティングにはできない、Eメールならではの、メールマガジンならではのマーケティングが実施可能です。
読まれるメルマガ配信についてご案内する前に、まずEメールの特性から考えてみましょう。
Eメールの特性
・比較的多くの文字を送信することが可能
・HTML形式で送信が可能で、メール内にいくつものリンクを設定できる
・画像やファイルなどの添付が可能
・一方通行のコミュニケーションである
・相手の状況に依らず送信したい時に送信し、相手が読みたい時に読める
・メッセージアプリに比べて、対話スピードに劣る
・大きなサイズのファイルは添付できない
・通知の煩雑さが少ない
これらの特性をメッセージアプリとの比較をすると
項目 | Eメール | メッセージアプリ |
送信可能文字数 | 比較的多い | 比較的少い(読みづらい) |
HTML形式への対応 | 比較的かんたん | 対応していないものが多い |
画像やファイルの添付 | 可能 | 可能 |
コミュニケーションの方向性 | 一方通行 | 双方向 |
読むタイミングの自由 | 比較的高い | 未読・既読スルーなどと言われる |
添付ファイルの容量 | 少ない | メールよりは多い |
以上のEメールの特性を踏まえ、Eメールのメリットとなる部分を箇条書きにしてみると以下のような内容になります。
・文字、画像をリッチに使った内容
・読者の反応は時間差で確認、対応ができる
・読者が自分のタイミングで読める
Eメールを使ったマーケティングは、画像や文章の多い、速報性・即応性が問われない情報伝達においては、メッセージアプリよりも向いていると言えるかと思います。
短文で内容がスマートフォンの通知ですべてわかってしまうメッセージングアプリと違い、情報量の多いメール、メールマガジンを読む・読まないの決定は読者に委ねられています。続いては、少しでも多くの読者を獲得し、読んでもらえるメールマガジン作成のコツについてご案内します。
2.読まれるメールマガジン配信のコツ
結論から申し上げますと、読まれるメールマガジンは顧客視点で必要な情報が取得できるメールマガジンです。もちろん、送信する側としては伝えたい情報があるから送信するのですが、先に見たEメールの特性でも述べましたが、読む・読まないの判断は読者側に委ねられるものです。
どのようなメールマガジンが読まれ、読み続けられるのか?
メールマガジンに限らずのお話ではありますが、「読まれる」文章というのは「求めている情報が含まれると思れた」文章です。つまり、本文を読んでもらう前に、タイトルが大事になってきます。
そして、実際に読んだ文章に「求めている情報」が含まれるかどうかは、読んでみるまではわかりません。
もっと正確に言うと、「読み終えられる」文章、「次も読んでもらえる」文章は、「求めている情報が含まれていた」文章と言えるかと思います。
Point!
・読んでみたいと思うのは「タイトル」
・読み終え、次も読んでもらえるのは「情報」
読者の求めている情報は何か?
では、どのような情報が「求めている情報」なのでしょうか?それは、わかりません。しかし、わからないと言って諦めてしまっては、そこで終わりです。わからないまでも、推理や想像、あるいは仮説を立てることはできるのです。
メールマガジンなどの不特定多数の読者に対して送信するメールは、往々にして「誰にでも有意義な情報」を目指してしまいがちですが、しかし、それは誰の心にも刺さらない、誰もが必要とされない情報になります。
例えば、日本で生活している限り、警察への緊急通報である電話番号110番を知っていることは有意義ではありますが、誰もが知っている情報です。
一方で海上での緊急通報番号が118番であることは、海上レジャーを楽しむ人や仕事で海上に出る機会の多い人にとっては知ってて当然な情報ではありますが、海上に出ることが無い人にとってはあまり馴染みのない情報です。馴染みもなければ、別に知りたいとも思わない情報とも言えるかも知れません。
しかし、この情報が貴重な情報となる場合、貴重な情報と受け取ってくれる人たちがいます。
それは、普段、海上のレジャーや仕事で海上にいることもなく、これから初めての海上レジャーや海の上でのお仕事をする予定の人で、且つ118番が海上緊急通報の番号だと知らない人です。
例えを使って説明するまでもなく、当たり前のことですね。問題は、誰が「海上レジャーや海の上でのお仕事をする、118番が海上緊急通報の番号だと知らない」人なのかがわからないのが問題です。では、どうするか?それもかんたんです。わからないことは聞けば良いのです。
Point!
・読者を属性グループ(セグメント)に分ける
TIPS
Hirameki 7のメール配信機能は、名刺管理機能で登録されているコンタクト情報に対して送信することができます。そして、このコンタクト情報はフォーム機能で作ったWebフォームから直接登録いただくこともできますので、メールマガジン配信登録時に読者となってくれるお客様の情報を入力してもらうことができます。
例えば、性別や年齢、居住地域や、もっと具体的に好きな役者さんや好きな色、様々な情報とともに送信先のメールアドレスを入力いただくことも可能です。こうして、集めた属性情報を分類して、いくつかのグループ(セグメント)に分け「こういう属性を持っている人はきっとこういう情報を求めているんではないか?」と仮説や推論をすることはできるかと思います。
※メルマガ登録フォームの詳しい作り方についてはこちらをご覧ください。
読者セグメントに合わせた発信
「読者の属性に合わせた情報を探す時間なんてない!」というのは、その通りでしょう。でも、別に読者に喜んでもらえる情報そのものを変える必要はないのです。そもそも、伝えたい情報があって始めるメールマガジンなのですから、読者が喜ぶ情報であることは大切ではありますが、発信側にメリットがなければ意味はありません。では、どうすれば良いかと言うと、同じ情報でも「伝え方」の工夫さえすれば良いのです。
それも大変と言うのもわかります。そんなときには、AIの力を借りてしまいましょう。
とある生成AIに次のような指示を出しました。
世代毎に刺さるタイトルを教えてください。
元のタイトルは「決定版!Hirameki 7で作成するメルマガコンテンツ」です。
そして、次のように返してくれました。
各世代に刺さるタイトルに変更するための提案は以下の通りです。
10代
「キラリ輝く!Hirameki 7で作る最新メルマガコンテンツ」
20代
「クリエイティブなアイデア!Hirameki 7で楽しむメルマガの新機軸」
30代
「ビジネスとライフスタイル、両方楽しむ!Hirameki 7のメルマガワンダー」
40代
「実用性満点!Hirameki 7で役立つメルマガコンテンツのすすめ」
50代
「経験値UP!Hirameki 7で贅沢なメルマガライフを楽しむ」
まずまずの書き分けではないでしょうか。もちろんAIに書き換えを任してしまって、当初伝えようとしていた内容と違った情報になってしまうことは避けなければなりませんので、しっかり確認した上で採用するようにしましょう。
Point!
・セグメントに合わせて伝え方を工夫する
また、せっかくセグメントに分けたのであれば、配信日時などにも工夫をしたいところです。
以下は一例ではありますが、よく言われる世代毎にメールの開封率の高い時間帯です。Hirameki 7のメール配信機能では、予約配信機能がありますのでセグメントごとに配信時間を変更しておくのも大変有効でしょう。
世代 | 開封率の高い時間帯 |
---|---|
ミレニアル世代(1981年~1996年生まれ) | 午前10時~午後2時 |
ジェネレーションX世代(1965年~1980年生まれ) | 午後2時~午後6時 |
ベビーブーマー世代(1946年~1964年生まれ) | 午前8時~午前12時 |
Z世代(1997年以降生まれ) | 午後6時~夜中12時 |
他にも工夫すべき場所は、いくらでもありますが取り扱うサービスや商材、伝えたい情報などによっても最適な工夫も変わってきます。開封率やコンバージョン率などのデータも活用して試行錯誤していきましょう。
最後にPointをまとめてみましょう。
Point!
・読んでみたいと思うのは「タイトル」
・読み終え、次も読んでもらえるのは「情報」
・読者を属性グループ(セグメント)に分ける
・セグメントに合わせて伝え方を工夫する